ABCマート「社外取締役に榎本加奈子&畑野ひろ子を起用」に賛否両論だが…今回の人選が"大正解"と言えるワケ

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もう一度整理するとグローバルには価値あるシューズを安売りする企業が苦戦する中で、ABCマートはそれを高く売るビジネスモデルで成長している。これがひとつのポイントです。

ABCマートがさらに成長するための戦略

ABCマートの経営陣はこの状態からさらに成長する戦略を提示しています。決算資料を読み込むと同社の成長のためには主要な論点が3つあることが読み取れます。

1. 成長商品で市場以上のスピードで成長すること
2. 成長業態の「グランドステージ」と「ABCマートスポーツ」の展開加速
3. 31%前後で伸び悩んでいる海外シェアをどうするか?

まずひとつめの論点ですが実は靴の業界では久しぶりに大型の新成長商品が登場しています。それがハンズフリーシューズと呼ばれる、手を使わずにスポッと履くことができるシューズで、前年比2倍のペースで売れています。

この市場ではこの分野の特許を多数保有するキジックというアメリカの専門ブランドが日本に参入する一方で、靴のチヨダのようなチェーン店では4000円台からの安価なPB商品を展開しています。ABCマートはこの中間にあたる1万円前後のナイキ、スケッチャーズ、プーマなどのブランドのハンズフリーシューズで売上高を伸ばしています。

ABCマート「グランドステージ」(写真:編集部)

商品ラインナップとしてはハンズフリーシューズ市場のど真ん中の売れ筋ブランドをすべて押さえているABCマートですが、まだハンズフリーシューズ自体の知名度は高くありません。ここからどのようにブームを仕掛け、どうやって市場以上のスピードで成長するかが課題です。

ふたつめの論点である店舗業態ですが、そのうちの「グランドステージ」とは旗艦店舗のことです。その旗艦店の第4世代店舗が昨年、東京、大阪、ソウルにそれぞれオープンしました。コンセプトはリアル店舗のメディア化です。

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