野村HD高輪研修センターの売却先は野村不動産、解体した後に高級マンション開発へ
野村ホールディングス(HD)が東京都港区高輪に保有する研修センターについて、野村不動産ホールディングス(HD)傘下の野村不動産に売却したことが15日、分かった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
野村HDは2月に同研修センターの売却方針を発表していたが、売却先は明らかにしていなかった。関係者の1人によると、野村HDは入札を実施し、最終的に野村不が選ばれたという。野村不は取得した研修センターを解体した後、高級マンションを開発する予定だという。
野村HDが保有する高輪の研修センターは、JR山手線高輪ゲートウェイ駅から徒歩5分程度の好立地にある。敷地面積は1万4000平方メートルを超え、マンション開発となれば大型案件が見込まれることから、不動産業界の間では売却先や今後の開発計画が注目されていた。

東京都港区で近年行われた大規模マンション開発は、三井不動産と三菱地所が旧逓信省簡易保険局庁舎跡地に建設した「三田ガーデンヒルズ」(敷地面積約2万5000平方メートル)。野村不が開発する予定の高級マンションは、敷地面積としては三田ガーデンヒルズに次ぐ大規模プロジェクトとなる見通し。
野村HDの広報担当者は、個別案件についてのコメントは差し控えると述べた。野村不HDの広報担当者もコメントを控えた。
譲渡日は4月10日。売却によって野村HDは2025年度第1四半期(4ー6月)の連結決算で、税前利益約560億円の計上を見込むと既に発表済み。
東京証券取引所が上場企業に対して資本効率や株価を意識した経営を求めており、こうした要請に応える形で上場企業の間では本業と関係性が薄い不動産などの資産を売却する動きが活発化している。
野村不HDは野村HDの持ち分法対象会社。野村不は高級マンションブランド「プラウド」シリーズを展開し、マンションデベロッパーでトップクラスの年間約4000戸を販売している。
著者:堀内亮、布施太郎
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