「日本企業で働き続ければよかった…」 努力しても報われない《ブラック化する中国企業》で働く中国人の本音

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劉さんは中国のこの10年の変化を以下のように分析した。

「2010年代後半は、競争を勝ち抜けば豊かになるという希望があったからみんな頑張ることができた。けれど努力しても報われにくい社会になると、人々のマインドがいかに競争を避けるかにシフトした」

努力の価値が下がってしまった

皆が努力した結果、努力の価値が下がり、努力に見合った対価が得られにくくなる状況は「巻(juan)」と呼ばれ、今の中国社会を象徴するキーワードになっている。

劉さんは「学部卒でも安定した職につけ、雇用が保障される。中国人から見て日本は世界で最も『巻いてない(競争が激しくない)』桃源郷のような国です」と話した。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

福岡市出身、早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で教員。現在は経済分野を中心に執筆編集、海外企業の日本進出における情報発信の助言を手掛ける。近著に『崖っぷち母子 仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』(大和書房)『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
X: https://twitter.com/sanadi37
公式サイト: https://uragami-sanae.jimdosite.com/

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