だが現状、顧客開拓は思うように進んでいない。
「鴻海の売上高は30兆円ですよ」と関氏は企業としての鴻海の実力を強調するが、EV事業の売上高はごくわずかと見られる(数値は非開示)。台湾の自動車メーカーと合弁で設立したEV事業会社のフォックストロンは依然赤字が続いている。
世界的にEVシフトが遅れる中、鴻海としては日系メーカーと手を組むことでEVの受託製造を拡大したいとの狙いがにじむ。そのためには、「インベーダー」のネガティブイメージを払拭したうえで、一刻も早く実績を作る必要がある。
ただ、鴻海と日本の自動車メーカーとの間には依然、微妙な距離感が垣間見える。象徴的なのが三菱自との協業だ。
三菱自幹部は「騒ぎすぎ」と困惑
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