スタートアップ企業の育成支援事業「J-Startup KANSAI」に選ばれた、関西圏のベンチャー75社の全リストを紹介、特徴と傾向を探る
大型の資金調達を実施している会社が多い。例えばリージョナルフィッシュは、京都大学と近畿大学の共同研究による技術シーズを元に社会実装することを目的に立ち上げられたゲノム編集による養殖魚介食品の開発を行うスタートアップ。同社は2024年12月にシリーズCで約40億円の資金調達を行った。
また京都フュージョニアリングは、フュージョンエネルギー(核融合技術を用いた電力発電)の社会実装を目指すスタートアップだが、こちらも2024年7月にシリーズCラウンドの2回目の追加調達で10.7億円の資金調達を実施。累計調達額は148.1億円に達する。
また2025年3月には、大阪に本社があるミライロが東京証券取引所のグロース市場に上場を果たした。デジタル障害者手帳「ミライロID」を提供している会社で、ファウンダーの垣内氏が立命館大学在学中に同級生とビジネスプランを持ち寄って立ち上げた団体が会社の前身となる。
J-Startup KANSAIの選定企業の上場は、2024年12月に東証TOKYO PRO Marketに上場した、紙おむつとおしりふきのサブスクリプションサービスを行うBABY JOBに次ぎ2例目となる。
大学発ベンチャーが多数
2025年3月に上場したミライロは学生起業のケースだが、「J-Startup KANSAI」に選定されている75社を見てみると、リージョナルフィッシュや京都フュージョニアリングなど大学発ベンチャーが数多く含まれている。京阪神地区には大阪大学、京都大学、神戸大学などの国立大学があり、各大学の研究室や大学の先生が研究している技術シーズを元に社会実装を目的に会社が立ち上げられたスタートアップが少なくない。
例えば京都大学発のベンチャーは、リージョナルフィッシュや京都フュージョニアリングのほかに、Atomis、Space Power Technologies、OPTMASS、エネコートテクノロジーズ、トレジェムバイオファーマ、メトロウェザーなどがある。
また大阪大学発のベンチャーは、C4U(シーフォーユー)、EX-Fusion、Thinker、イムノセンス、リモハブ、ルクサナバイオテク、大阪ヒートクールなど。神戸大学認定ベンチャーとしては、TearExo、イムノロック、ナティアス、バイオパレット、バッカス・バイオイノベーションなどが挙げられる。
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