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JR西「最新の車両メンテナンス」は何が違うのか 営業列車の車両データ活用、未然に故障防ぐ

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3番目は「故障発生時の即時対応」である。故障が起きたときは、乗務員→指令員→検査担当者の順に連絡がいくが、「無線や電話でのやりとりなので時間もかかるし内容も伝言ゲームになってしまうところがある」。

たとえば故障の処置は10分ですむのに、状況確認だけで30分かかることがある。また、間に指令員を介在するので乗務員の説明が検査担当者に正確に伝わらないケースもある。これが伝言ゲームだ。さらに、勘違いも起きる。「たとえば1号車と言ったとき、こちらが1号車だと思っていたら反対側だったということもある」。しかし、モニタ状態監視システムを使えば、「故障の処置の時間は短縮できないが、同じデータを見ながら状況を把握できるので情報伝達の時間を大幅に短縮できます」という。

人による検査はなくならない

これらのモニタリング保全を実現するために、JR西日本は「MiyoCca(見よっか)」と総称するシステムを導入した。2019年に開発したモニタ状態監視システム、2024年10月に開発した状態判定システム、2018年にスタートした「車両状態監視装置」、そして現在開発中の「屋根上画像診断システム」。人の手を介さずに車両状態を把握・判定できるこの4つのシステムを併せて、JR西日本は「MiyoCca(見よっか)」と総称している。

車両状態監視装置は、地上に機器を設置し、車両が機器の設置区間を通過する際に屋根上、パンタグラフ、車輪の状態を自動で測定、検知するという仕組み。これによって、高所作業の減少や車両床下などでの作業が減り、安全性の向上が期待できる。

モニタリング保全は1991年に導入された207系以降に開発された列車を使って行われている。「今はデータを地上側に飛ばす装置を搭載する工事をしており、2027年度くらいまでに完了する予定」という。

JR西日本の207系電車。モニタリング保全は1991年に導入されたこの車両以降に開発された列車を使って行っている(写真:三島路快速/PIXTA)
【写真を見る】JR西「最新の車両メンテナンス」は何が違うのか 営業列車の車両データ活用、未然に故障防ぐ(5枚)

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