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JR西「最新の車両メンテナンス」は何が違うのか 営業列車の車両データ活用、未然に故障防ぐ

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「モニタ状態監視システム」が車両のさまざまなデータを取得し、「状態判定システム」が車両の状態を自動的に判定する。たとえばブレーキ試験では、これまでは90日以内に1回の頻度で、作業員がブレーキを操作して空気圧の変化を調べていた。しかし、モニタリング保全では、走行中の乗務員がブレーキ操作した際の空気圧の変化から、操作どおりに空気圧が変化しているかどうかを自動判定する。つまり駅に停車するたびに判定されるわけだ。

「従来よりも高頻度な検査が可能になった」と担当者。2024年10月から近畿圏の一部の電車でスタートした。ほかにもパンタグラフの上昇下降動作、ドア開閉指令など、最大7機種27項目の検査がデータによる検査に置き換えられたという。

「MiyoCca」の開発スタッフたち。左からJR西日本鉄道本部車両部検修課の真鍋彰、前川卓、田代征久、長谷部浩平の各氏(記者撮影)

「故障の予兆把握」はこれから

続いて挙がったのは「車両の不具合の予兆把握」である。車両データから装置の劣化状況を予測し、先回りして修繕を行うことで故障を未然に防ぐ。ドア開閉機能など一部の車両、機器の実施が始まったが、大半は「データの分析を行っている段階」だという。その理由は故障例が少ないから。

モニタ状態監視システムでデータを大量に収集できるようになったが、何をもって故障の予兆と判断するのかは、取得したビッグデータの解析次第だ。実際に故障した状態のデータがないと、故障の予兆がどのように実際の故障になるかという判断ができない。

また、予兆を察知しやすい機器・部品と、察知しにくい機器・部品があるという。「空調機器は電流値の推移を追っていけば劣化傾向がある程度把握できますが、サイリスタ(電流を制御できる半導体素子)やスイッチ機器は突然落ちるので予兆が難しい」。現在は、検証を進めており、今後順次拡大を図っていく。

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