JR東日本「外国人材の育成」で人手不足補えるか 「特定技能」合格者は現場で就労、他社に拡大も?
まだあちこちに雪が残る3月5日、福島県白河市にあるJR東日本総合研修センターを訪ねた。
2月19日から25日にかけて研修が行われており、冒頭の線路を使った研修に参加する軌道整備の研修生12人のほか、通勤車両のモックアップを前に車両整備の実地講義を受けている研修生5人の姿もあった。教室では電気設備整備の研修生8人が熱心にペンを取っている。試験に合格しないと在留資格を得られないため、彼らの目付きは真剣だ。
合格すれば日本で鉄道関連業務に
講義を担当するJR東日本パーソネルサービスの平野春香さんと柳町拓也さんに日本人向けの講義との違いについて尋ねた。
柳町さんは、「研修生の日本語レベルに違いがあるかもしれないので、講義に使う教材はすべての漢字にルビを振った」。また、「講義に区切りがついたら次のステップに進む前に1回止めて、研修生同士が母国語で話し合って、理解した内容を共有してもらうという時間を設けた」。日本語の講義が理解できなかった研修生に対する配慮だ。平野さんは、「日本語特有の言い回しがあるので、日本語をできるだけ簡単にするよう心がけた」と話す。
今回の25人が評価試験に合格したら、JR東日本と業務上で関係がある企業と雇用契約を結び、鉄道関連の業務に就いてもらう。今回は人手不足がより厳しい企業を優先させるとのことだが、「今後は当社や当社のグループ会社に入っていただく可能性もある」とJR東日本人財戦略部でこの取り組みを担当する人財育成ユニットの阪口直之マネージャーは話す。

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