日中関係が良好ではなくても急増する日本移住!中国で何が起こっているのか?日本は中国人富裕層の安住の地なのか?

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なお、著者の過去の取材を振り返ってみても、たしかに日本でも2010年代半ばごろから「潤」の前兆のような動きが少しずつ出てきていたことがわかるという。

潤日は新華僑とどう違うのか

多くの「潤日」は、私たちがイメージする在日中国人、すなわち1980年代の改革開放以降に日本へ渡ってきた新華僑とは多くの点で性質が異なるようだ。

新華僑のモードはサバイバルだった。大きな背景として日本と中国の経済格差が大きかったことがある。対して、「潤日」の人たちは、これとは全く違う特徴を持つ。最大の関心事はライフスタイル。自由で豊かな生活を享受しにきている。(45ページより)

従来の新華僑の視野は日中両国間に限られがちで、日本語を習得し、必死に日本社会に溶け込もうとした。多くは就学生だが、密航や出稼ぎで日本にたどり着いた人もいる。多くの人は政治には無関心、もしくは中国政府と近い立場にある傾向が強かった。

では、「潤日」はどうか?

対照的に「潤日」の人々は、グローバルな視野を持ち、世界の先進国を見回して比較検討の上で日本を選んでいる。典型的なのは中国の大都市に一度は住んだ経験を持つ。日本の黄金時代を知り、日本製のモノに親しみを持った世代でもある。
彼ら彼女らは日本語習得に関心を示さない、もしくは中年に差し掛かる年ごろなので、そもそも第二言語の言語習得が難しい。日本社会からは孤立しがちで、全てはWeChatグループで事足りる独自のエコシステムがあるのだ。文化人、企業家、知識人からエンジニアまで多岐にわたるプロフェッショナルが含まれている。(46〜47ページより)

端的にいえば、「潤日」は比較検討をした結果として日本に来ているということになる。そのため、この先もずっと日本に居続けるとはいえず、中国国内で状況が好転したり、他国がより魅力的になれば日本を離れる可能性もあるだろう。ただ、現時点において日本が“適切な場所”であることは間違いないようだ。

ちなみに新華僑と「潤日」を比較した場合、居住地域にも明確な違いが見られるという。新華僑のコミュニティとしては池袋がとくに有名で、かの地を選んだ人々は歳月を経て家族を形成すると、西川口のような郊外のマンションへと移っていったという。

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