遺伝だけではなかった!子どもの身長が伸びる、「成長食」の簡単ルール 卵は1日2個?身長を伸ばすラストチャンスは…

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「父母ともに身長が低いから、子どもの身長も高くならないのではないか……」とあきらめていないだろうか。身長は遺伝だけでは決まらない、栄養状態がよければ遺伝身長より高くなる可能性があることが、最新の研究でわかってきている。ここでは東京神田整形外科クリニック院長で、身長アップの方法を伝授するYouTubeチャンネルを持つ田邊雄氏著『身長先生式 子どもの身長が伸びる食事のルール30』から一部抜粋、再構成してお届けする。

男子の場合は(父親の身長+母親の身長+13)÷2±9cm

「身長は遺伝で決まるから」と思ってあきらめていませんか? それが本当なら、日本人の平均身長はいつの時代も大きくは変わらないはずです。

縄文時代の男性の平均身長は約160cm、現代の男性は約170cm。縄文時代と比べると、約10cmも平均身長が高くなっています。このような平均身長の変化の背景にあるのは、間違いなく栄養状態です。

縄文時代に比べてその後の古墳時代のほうが約4cmも背が高くなったのは、稲作が普及して食糧の供給が安定したからだと考えられています。

その後、仏教の影響で肉食を避ける時代が続き、さらに江戸時代には急激な人口増加、たびかさなる飢饉(ききん)の影響で栄養状況は悪化。古墳時代の平均身長を上回ることはありませんでした。

日本人の平均身長が再び高くなりはじめたのは明治時代に入ってから。文明開化によって肉食が広まり、栄養状態が改善され、次第に平均身長が高くなっていったのです。

身長は遺伝だけでは決まらない。このことは、最新の研究でもわかってきています。

もうひとつ、お伝えしておきたいのが、遺伝身長には大きな誤差があるということです。遺伝身長とは親の身長から導き出す子どもの最終身長の予想値です。

男子の場合 : 遺伝身長=(父親の身長+母親の身長+13)÷2±9cm

女子の場合 : 遺伝身長=(父親の身長+母親の身長-13)÷2±8cm

(現・浜松医科大学特命研究教授の緒方勤先生が2007年に発表した計算式)

 

たとえば、父親が170cm、母親が155cmなら、男子の場合は(170+155+13)÷2=169cm±9cmの幅があるので、子どもの遺伝身長は160 〜178cmとなります。男子の遺伝身長の振れ幅は18cmで、高いほうに振れた場合、父親より8cm高くなります。

もちろん、これはあくまで予想値ですから、このとおりになるとは限りません。栄養状態がよければさらに高いほうに振れ、遺伝身長より高くなる可能性もあるのです。

「身長は遺伝だけでは決まらない」。そして、身長は栄養で伸びることも数々の研究で判明しています。

「成長ホルモンと栄養」で子どもの体は成長していく

にも関わらず、栄養不足の子どもがとても多い! しかも、みなさん子どもの身長を伸ばすことに対して熱心に取り組む気持ちがあるのに、子どもの栄養状態を把握できている親は、ほとんどいません。

「お子さんは昨日、何キロカロリー摂取しましたか?」「お子さんの体脂肪率は?」「たんぱく質の摂取量は?」という問いに答えられる親は、ほぼゼロです。成長期の子どもは想像以上のエネルギーを必要としています!

注:身体活動レべルは、6歳以降は、身体活動レベルの 個人差を考慮するために、成人と同じ3区分とした。低い(生活の大部分が座位で静的な活動が中心の場合)、ふつう(座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合)、高い(移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合)の3つのレベルとして、それぞれI、II、IIIで示した
出所:『身長先生式 子どもの身長が伸びる食事のルール30: 体・心・脳が育つ!「成長食」』(Gakken)
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