パナソニックの大誤算、三洋買収で巨額損失

失敗を認めない経営者

それでも同社は、三洋の買収は失敗でなかったと言い張る。民生用がダメでも「車載用電池や太陽電池など、旧パナソニックでは手薄だった成長分野を手中に収められた」(大坪社長)との理由だ。

現在、複数の大手自動車メーカーと商談が進行中。15年には売上高で1000億円突破を見込む。しかも携帯電話やノートPC用と違って、電気自動車(EV)やハイブリッド車などの車載用は相当な高収益が期待できるとそろばんをはじく。

だが、同市場で先行するGSユアサの動向を見ると、パナソニックの想定はいかにも楽観的と言わざるをえない。GSユアサの平均販売単価は過去1年で10%超下落。設備の償却負担も重く、12年度に予定していた同事業の黒字化は最低1年の延期を余儀なくされた。価格競争は、自動車用でも変わりはない。

66歳の大坪社長は会見で「赤字の経営責任は痛感している」と述べながらも、随所に社長続投への意向をにじませた。08年に三洋買収を主導した中村邦夫会長(72)は批判の矢面にすら立っていない。今月末に開かれる取締役会。在任6年となる長老2人の続投が決議される可能性が高い。

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(西澤佑介 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年2月18日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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