ファーウェイ「3つ折りスマホ」制裁下で衝撃進化 独自OSと高級路線でスマホ市場を揺さぶる次の一手

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そもそも中国本国では西側のアプリはほとんど使われていないため、AppGalleryでも何の問題もない。中国向けには一歩進んで、Androidベースではない独自開発の「HarmonyOS NEXT」という新規のOSを開発。Mate XTも搭載している。

なお、今回のMate XTグローバル版は、中国市場向けとは異なり、以前からあるAndroidベースの「EMUI 14.2」を搭載している。これはAndroidからの完全なデカップリングを避けたいファーウェイの希望の表れではないか。

東南アジアを起点とした戦略展開

調査会社カウンターポイントの最新データによれば、2024年第4四半期の中国スマートフォン市場でファーウェイは市場シェア18.1%を獲得し首位に立った。2024年通年でも、前年の12.1%から16.3%へとシェアを伸ばし、36.4%という主要メーカーの中で最大の成長率を記録している。

この勢いを背景に、Mate XTのグローバル展開第1弾として東南アジアを選定。マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、香港、カンボジアでの展開を予定している。特にマレーシアは同社のアジアヘッドクォーターが置かれ、2024年には日本・韓国リージョンもその傘下に統合された重要拠点だ。

1人当たりの平均所得が高く、人口の約30%を占める中華系市場の存在が大きい。現地アプリのGrabなどがAppGalleryに対応しているため、Google Play非搭載でも十分戦える市場として位置づけられている。高級スマートフォン市場として成長が著しい東南アジアは、プレミアムブランドへの受容性も高く、同社の超高級路線と親和性がある。

また、実はファーウェイのスマートフォンにはGoogle製アプリなどを使用する「抜け穴」的な手法もいくつかある。東南アジアのスマートフォン販売店舗では、そうした手法も含めて案内しながら販売されることも想定される。

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