「リネン係がおらず、部屋を閉鎖…」「観光客は来るのに、従業員がいない…」《働く人の給料が安すぎる》のは、日本の観光業の大問題だ

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観光コンテンツの作り手、売り手、現地での受け手まで、すべてにおいて人材が不足しています。

「果てしない担い手不足」とも呼べるほどの人的リソースの欠如によって著しい機会損失が常態化しており、「稼ぐ機会」も「稼ぐ力」もモノにすることができていないのです。

この問題は、特に地方において深刻です。

「日本で今、なにが起きているのか」。まずは、現状を説明していきたいと思います。

観光業界で働く人たちの給与・報酬が安すぎる

私が学生の頃から、たとえば大手旅行会社のJTBは「就職したい企業」で常に上位にランクインするほど人気企業でしたが、旅行会社は人気がある一方で「給料が安い」とも言われ続けており、それは今もあまり変わっていないようです。

また、航空会社は比較的賃金が高いと言われ、CAやパイロットは憧れの職種でしたが、コロナ禍によって深刻な経営難に陥ると、社員を家電量販店への派遣や、給料の大幅カットなどがありました。

コロナ禍が明けた今でも、航空業界の給与は市場において厳しいという状況で、CAは雇用形態も「社員ではない契約」が増えたと聞いています。

日本の宿泊業も、すべてではないですが従来「給与が低い業界」と言われており、観光業の新たな担い手として注目されるDMO(Destination Management/Marketing Organization)ですら結局は自治体の委託金で運営されるので、組織の中で頑張ろうが頑張るまいが給料は変わらない仕組みです。なおかつ、私が見てきた限りでは、相対的に低賃金のようです。

しかし、現実の観光の現場では、けっして「稼げない話」ばかりではありません

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