定年退職後の「資産運用」注意すべきポイントとは ポートフォリオは?積立投資は継続?疑問に回答

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ただし、この方法を選ぶためには、確定拠出年金以外にある程度の資産があることが前提となります。

リスクを下げるために債券も持つべき?

読者の皆さんの中には、これまで資産運用について勉強してきた知識をもとに、「退職後は株式の割合を減らして債券の割合を増やしたほうがいいのではないか」と考えている方もいるでしょう。

一般に、金融資産クラスごとのリスク/リターンを高い順に並べると、「海外株式、国内株式、海外債券、国内債券、預金」となります。

現役時代は、20年、30年と長期で積立投資を行うことによりリスクは十分に抑えられると考え、リターンを重視して海外株式や国内株式で運用する投資信託をメインにポートフォリオを組むことが多いでしょう。私自身、資産形成のための運用では、すべて株式の投資信託を活用してきました。

「株式が中心のポートフォリオでは、退職後はリスクが高すぎる」という考え方は間違いではありません。しかし「預貯金を含めた資産全体のリスク」に目を向ければ、必ずしもそうとはいえないかもしれません。

たとえば、株式で運用する投資信託の残高が700万円あったとしても、他に預金が1300万円あり、金融資産の総額が2000万円だとすれば、金融資産全体で「リスクが高すぎる」というほどではないでしょう。

また、このケースで投資信託の一部を売却し、債券で運用するものに入れ替えても、ポートフォリオ全体のリスクを下げる効果はそれほど大きくなりません。

それよりも、先にご説明したように、「使いながら運用する時代」に株式で運用する投資信託を少しずつ売却していくほうが簡単ではないかと思います。この方法なら、ポートフォリオ全体の株式の割合が自然に減り、「使うだけの時代」に向けて確実にリスクを下げていくことが可能です。

なお、投資信託の一部を売却して債券を多く組み入れた投資信託に入れ替えるやり方をあまりおすすめしていないのは、売却するときが面倒だからというのも一つの理由です。

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