三井物産、"植物から作った卵"を食卓へ 米国ではセブン-イレブンも採用
HC社には世界的に著名な投資家も期待する。三井物産のほかに、ジェリー・ヤン(ヤフー共同創設者の一人)や香港の巨大企業・長江実業グループのホライズン・ベンチャーズ、シンガポール政府傘下のテマセクも出資している。
今回、比率にすると2.26%に過ぎないが、ファンドではなく事業会社がHC社に出資するのは三井物産が初めてとなる。事業提携という形で日本での販売権を取得し、まずは食品メーカーへの売り込みから始める。今後、日本でも米国同様、植物卵を原料にした製品が広がっていくかもしれない。将来的には、アジアへの展開も狙うとしている。
今回は実験的な投資
実は2年前にもHC社への出資を検討したことが、三井物産はあった。ベンチャー投資子会社である三井物産グローバルインベストメントが投資先の一つとして着目した。HC社は今年度売上高で20~40億円を見込むなど、いまでこそ急成長期に入っているが、当時は数ある動物タンパク代替食品ベンチャーの一つでしかなかった。キャピタルゲインを狙うのにもすでに機を逸しており、投資は見送られた。
今回は2014年8月に導入された、新規事業創出プログラム「Karugamo Works(かるがもワークス)」の1号案件。短期的な収益の取り込みが目的ではなく、通常の投資審査ではすくいきれない、新領域への実験的な投資と位置づける。
「不確実な案件ではあるが、そのぶん当たったときの伸びは大きい」(経営企画部イノベーション推進室長の中野行庸氏)。三井物産が温める“人造の卵”は孵化するか。
三井物産の株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら