東大の入試で「ただの知識問題」が問われた驚き 日頃からニュースを見ることで答えがわかる

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そしてそれを踏まえて設問(2)では、以下の空欄を埋める形式の問題が出題されました(※Aの地域は北米です)。

※外部配信先では画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

西岡壱誠 東大

この問題、ニュースに出てくる言葉がそのまま答えになります。皆さんはわかりますか?

正解は「シェール(革命)」です。

シェール革命とは、2000年代後半にアメリカで、「シェール」と呼ばれる岩石層から石油や天然ガスを低コストで掘削できる技術が開発されたことを指します。これにより、アメリカではエネルギー資源の生産が大幅に増加し、国内価格が下がっただけでなく、輸入量が減少し、むしろ輸出をするようになりました。日本もシェールガスから作ったLNGを輸入しています。

東大でストレートな問題が出たことへの驚き

もちろん教科書にはこの言葉が載っていますが、長年東大の研究をしている塾・予備校関係者はこの問題に対して大きな驚きがあったそうです。

というのも、東大がここまでストレートな知識問題を出題することはほとんどないからです。特に地理では、ただ教科書に載っている言葉を知っているかどうかを問うだけの問題はほとんど出題されないのです。

それでもこのような問題が出題された背景には、きっと「ニュースでも話題になっているこの言葉を知らない受験生は東大に相応しくない」というメッセージがあるのかもしれません。

この「シェール革命」という言葉は、ニュースを見ていれば普段から耳にすることがある言葉です。教科書で暗記すべき単語の1つとして覚えた人と、日頃からニュースを見ていてその言葉を聞き慣れていた人とでは、難易度が大きく違って感じられたはずです。普段からニュースに触れていると、こういうところで差がつくというわけですね。

② 2019年 東大世界史 第1問

東大の世界史の入試問題は、大問1に15行(450字)〜22行(660字)という他大学の入試には類を見ない大論述が課されることで有名です。

そして、2019年の大問1の問題文はこのようなものでした。

西岡壱誠 東大 ドラゴン桜

問題文では、冷戦の終結による政治的・軍事的緊張の緩和を背景に、世界がより平和になることを期待されていたものの、実際には各地で政治的混乱や紛争が発生したことに言及されています。特に、かつてオスマン帝国が支配していた領域では……と、話題はオスマン帝国の話に移っていきます。

肝心の出題内容は、「18世紀半ばから1920年代までのオスマン帝国の解体過程について、帝国内の民族運動や帝国の維持を目指す動きに注目しつつ、記述しなさい。」というものです。

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