共通テスト監督者「トイレ立ち入り」は苦肉の策? 「中学受験」でも頻出"カンニング"の実態と対策
![バツを示す制服姿の女子学生](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/3/5/570/img_3566ff38e0772b259d939c1ba4e34d7f129040.jpg)
1月18日に行われた大学入学共通テストで、男子受験生がトイレに行った際、男性監督者が一緒に個室内に立ち入った事案が発覚し、問題となっている。
報道によると、男子生徒は大阪公立大学で試験を受けたが、途中で腹痛に見舞われて多目的トイレへ。不正防止の理由から、監督者が同室する状態で用を足したという。
入試におけるカンニング問題は根深いものがあるが、トイレの中まで監視する必要はあるのか。
大手進学塾や自身が運営する学習塾で2万人以上の小中高生を指導してきた実践教育ジャーナリスト・矢萩邦彦氏に、カンニングの実態と対策について聞いた。
中学受験生のカンニング事情
「私が最もカンニングを目にしたのは、中学受験業界にいたときでした」
こう話す矢萩氏は、複数の大手進学塾で20年近く講師を勤めた経験を持つ。試験監督をするなかで、あの手この手で不正をはたらく小学生の姿を数多く見たという。
ある生徒は、六角形の鉛筆のすべての面に、びっしりと文字を書きこんでいた。濃い緑色や茶色の鉛筆に黒のサインペンで書き込めば、遠目からは気づかれにくく、もしバレそうになれば消しゴムで消せばいい。