日本初「3Dプリンター製サウナ」を体験してみた! 高知の絶景リゾートに併設、安全性×機能性を両立

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ナミテラス芸西があるのは太平洋に面した小高い丘。そこに船内が客室になっているヨットを中心に、一棟貸しの宿泊施設計4棟と「サウナメランジュ」と名付けられたサウナ棟1棟が並ぶ比較的小さなリゾート施設だ。

サウナの監修は全国のサウナーにも知られる「SAUNAグリンピア」が請け負い、オープン以来、高知県でも数少ない本格サウナリゾートとして、県外のサウナーのお客を中心に支持を集めつつある。

ナミテラス芸西の全体パース図。基本的に無人で運営されチェックインは備え付けのタブレットで行う(画像提供/ナミテラス芸西)
ナミテラス芸西の全体パース図。基本的に無人で運営されチェックインは備え付けのタブレットで行う(画像/ナミテラス芸西)

建物としての安全性とサウナの機能性を両立

このプロジェクトがスタートしたは2022年1月。Polyuseも小規模な3Dプリンターによる建築は行っていたが、不特定多数の人が利用する施設の建築は初めて。

そこで入念な施工方法の検証を行い、サウナの構造を約60パーツに分けて印刷することになった。印刷と建設は同年8~9月の約1カ月に渡り、高知県内の倉庫内で行われ、その後現場で組み立てられた。

「本来なら現場で型枠にコンクリートを流し込み、組み立てていきますが、天候に左右されない3Dプリンターだけに、この規模の建物としては、現場での施工時間はかなり短い」と中岡さん。その一方で「現在ほど3Dプリンターの需要がなかったために材料費は高くついた」と苦笑する。

高知県内の倉庫で行われたサウナ棟の印刷の様子。配合等は企業秘密とされる特殊なモルタルを重ねていく(画像提供/ナミテラス芸西)
高知県内の倉庫で行われたサウナ棟の印刷の様子。配合等は企業秘密とされる特殊なモルタルを重ねていく(画像/ナミテラス芸西)
現場での建設風景。約60のパーツを鉄骨の周りに積み上げていき、それぞれを接着させる。少人数での作業を可能とした(画像提供/ナミテラス芸西)
現場での建設風景。約60のパーツを鉄骨の周りに積み上げていき、それぞれを接着させる。少人数での作業を可能とした(画像/ナミテラス芸西)

完成したサウナ棟は「サウナメランジュ」と名付けられた。3Dプリンターによるサウナルームと通常の工法で建てられた更衣室と水風呂が併設されている。「メランジュ」とは、芸西村で見られる起源や時代の異なる岩石の混在堆積物の天然記念物に由来する。

実際にサウナルームの壁は、3Dプリンターの特殊なモルタルの層がミルフィーユのように重なり合い、独特の紋様を描いている。「表面をならして平坦に仕上げることもできましたが、“メランジュ”を表現するためにあえて荒い層のままにしました」と中岡さんは狙いを語る。

左側が更衣室。屋上のデッキが外気浴エリアになっている(写真撮影/藤川満)
左側が更衣室。屋上のデッキが外気浴エリアになっている(写真撮影/藤川満)
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