
[著者プロフィル]森 功(もり・いさお)/ノンフィクション作家。1961年生まれ。岡山大学卒業後、『週刊新潮』編集部などを経て独立。『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞を受賞。『地面師』『国商 最後のフィクサー葛西敬之』など著書多数(撮影:尾形文繁)
日本一の学生数を誇る日本大学。逮捕された田中英壽元理事長(2024年1月没)の時代に築かれた闇を、流行作家の林真理子理事長が切り崩し、改革を断行していくかに見えたが、実態はどうか。ノンフィクション作家の森功氏に聞いた。
日大田中帝国の権力と黒い繋がり
──日大といえば田中英壽という剛腕理事長を想起します。
08年に日大理事長に選出された田中は、政官業から右翼・暴力団に至る地下水脈とつながり、巨大な利権、言うなれば「田中帝国」を築き上げた。
──田中の大学統治手法にはモデルがあったようですね。
田中は、日大中興の祖と呼ばれる古田重二良(じゅうじろう)を師と仰いでいた。
古田は戦中に縮小された日大の各学部を復活させ、新たな学部を次々に設置すると同時に、既存の学部を拡大・再編して日大を巨大組織によみがえらせた。
政界人脈を駆使し、私学助成制度の導入にも力を注ぐ。今や私立大学の経営の安定に不可欠となっている私学助成制度は、古田の尽力の賜物だ。
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