日本一のマンモス私大「日大帝国」の権力と闇 『魔窟』著者・森功氏に聞く

✎ 1〜 ✎ 476 ✎ 477 ✎ 478 ✎ 479
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
『魔窟知られざる「日大帝国」興亡の歴史』著者の森 功氏
[著者プロフィル]森 功(もり・いさお)/ノンフィクション作家。1961年生まれ。岡山大学卒業後、『週刊新潮』編集部などを経て独立。『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞を受賞。『地面師』『国商 最後のフィクサー葛西敬之』など著書多数(撮影:尾形文繁)
日本一の学生数を誇る日本大学。逮捕された田中英壽元理事長(2024年1月没)の時代に築かれた闇を、流行作家の林真理子理事長が切り崩し、改革を断行していくかに見えたが、実態はどうか。ノンフィクション作家の森功氏に聞いた。

日大田中帝国の権力と黒い繋がり

魔窟 知られざる「日大帝国」興亡の歴史
『魔窟 知られざる「日大帝国」興亡の歴史』(森 功著/東洋経済新報社/1980円/358ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──日大といえば田中英壽という剛腕理事長を想起します。

08年に日大理事長に選出された田中は、政官業から右翼・暴力団に至る地下水脈とつながり、巨大な利権、言うなれば「田中帝国」を築き上げた。

──田中の大学統治手法にはモデルがあったようですね。

田中は、日大中興の祖と呼ばれる古田重二良(じゅうじろう)を師と仰いでいた。

古田は戦中に縮小された日大の各学部を復活させ、新たな学部を次々に設置すると同時に、既存の学部を拡大・再編して日大を巨大組織によみがえらせた。

政界人脈を駆使し、私学助成制度の導入にも力を注ぐ。今や私立大学の経営の安定に不可欠となっている私学助成制度は、古田の尽力の賜物だ。

関連記事
トピックボードAD