ピンタレスト創業者「エンブレム騒動は残念」 画像共有サービスの正しい使い方を指南

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ピンタレストは創業5年ながら、資金調達額は13億ドル(約1560億円)、企業評価額は110億ドル(約1兆3000億円)にも達している。株式未公開で企業評価額が10億ドル(1200億円)を超える、「ユニコーン」と呼ばれる新興企業の一角だ。
今年9月には2010年のサービス開始以来、初めてMAU(月間アクティブユーザー数)を公表。MAUが1億人に達していることが明らかになった。しかし、競合する米SNSのインスタグラムのMAUは3億人と上回る。日本での利用者数は公表していないが、多くのサービスと競いながら、利用者を積み上げていく速度も問われる。

 

――株式を上場する考えはあるか。

将来的に考えてはいるが、まだ先の話だ。事業の進捗はよいが、どのタイミングになるかはわからない。

――2014年夏に米国で広告事業を始めた。日本など他の国でも広告事業を始めるか。

今のところ、計画はない。よりよいサービスにしていくのが先決だ。米国でも利用者が広告で嫌な思いをしないように、慎重に進めている。

日本での利用者増は難しい?

――日本では米SNSの中でもツイッターの利用者が多いなど、文字主体のやり取りをするサービスが盛んだ。日本でピンタレスト利用者を増やすことに難しさを感じているか。

ツイッターやLINE(ライン)が非常によく使われていることは知っている。ただ、旅行の行き先を考えたり、家具を探したりする使い方をするには、画像が適している。ネットのサービス全体で文字より画像のやり取りの比重が増していることもあり、日本でも利用者をさらに増やせると考えている。

――日本ではデザイナーやファッション関係者の間に利用者が多いようだ。

デザインなどの仕事についていればもちろんだが、そうでなくても日常生活のさまざまな場面で、誰もが楽しめるサービスだ。私も昨年、妻と来日して京都旅行を楽しんだが、事前に「京都旅行」のボードを作り、どこを訪れるか想像をめぐらせた。料理レシピや家具などで新しいものを探している時にも役立つ。多くの人に楽しんでほしい。

山田 泰弘 東洋経済 記者

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やまだ やすひろ / Yasuhiro Yamada

新聞社の支局と経済、文化、社会部勤務を経て、2014年に東洋経済新報社入社。IT・Web関連業界を担当後、2016年10月に東洋経済オンライン編集部、2017年10月から会社四季報オンライン編集部。デジタル時代におけるメディアの変容と今後のあり方に関心がある。アメリカ文学、ブラジル音楽などを愛好

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