日本人なら懐かしい「歌の昭和史」総ざらい(後編) 昭和が遠のく中、矢沢永吉は今も現役で…

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サザンオールターズの最初のヒット曲『勝手にシンドバッド』(昭和53[1978]年)のタイトルは、パロディの名手・阿久悠(拙著『ヒットメーカーの寿命―阿久悠に見る可能性と限界』、東洋経済新報社参照)が作詞を担当した、沢田研二の『勝手にしやがれ』とピンク・レディーの『渚のシンドバッド』の合成パロディだ。桑田による昭和歌謡へのジャンル横断的宣戦布告だった。

一方、大瀧詠一は日本語によるロックを看板に、昭和44(1969)年、細野晴臣、松本隆、鈴木茂と「はっぴいえんど」を結成、フォークとロックのハイブリッドで、後のシティ・ポップの先駆けとなった。

解散後の大瀧のソロアルバム『A LONG VACATION』(昭和56[1981]年)は、1960年代への回帰を不可逆とする80年代初頭の日本ポップスの記念碑となる。

今なお現役の矢沢永吉は、昭和24(1949)年生まれ

大瀧の逝った平成25(2013)年は、AKB48、EXILE、嵐の台頭した年でもあり、島倉千代子、岩谷時子(作詞家)、藤圭子(宇多田ヒカルの母)といった昭和歌謡を担った大物も相次いで鬼籍に入った。

昭和がますます遠のくなか、今なお現役の矢沢永吉は、昭和24[1949]年生まれ。今年デビュー50周年を迎える。

*この記事の前編:日本人なら懐かしい「歌の昭和史」総ざらい(前編)

*この記事の中編:日本人なら懐かしい「歌の昭和史」総ざらい(中編)

高澤 秀次 文芸評論家

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たかざわ しゅうじ / Shuji Takazawa

1952年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部卒、評論家。民俗、芸能史から文学、思想史まで幅広いジャンルに意欲的に取り組み、特に作家や思想家の評伝を書かせては鋭い切れ味を発揮する。

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