フリーアナと駅弁経営の二刀流「異色の社長」の素顔 プロバスケのレポーターを兼業、会場で弁当販売も

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いかめしおかき。意外と酒に合う(写真:筆者撮影)

今井麻椰社長に交代してからは、「いかめしおかき」「いかめしカレー」「阿部商店監修いかめしおむすび」(セブンイレブンで限定発売)など、これまでなかった商品を発売。また、実演販売にこだわった父親を説得しての「レトルト版いかめし」で販路を広げ、何とか会社のピンチを乗り切った。コロナ禍が終息を迎えた現在、「いかめし」百貨店での実演販売はこの1年(2024年2月~2025年1月)で約70カ所にも及び、販売網は元に戻りつつある。

フリーアナ業も継続中

今井麻椰社長はフリーアナウンサーとして、バスケットボール・Bリーグのレポーターも社長業と並行して継続。さらにBリーグ会場で「いかめし」実演販売をしている時もあるという。バスケファンの方々にとっては、今井社長は「『バスケットLIVE』(動画配信サービス)でよく見る人」「会場で特製Tシャツを着て『いかめし』を売っている人」と言ったほうがわかりやすいかもしれない。

社長は大学生の頃に、アメリカで実演販売を手伝い、アメリカの人々に「いかめし」を説明するのに苦労した経験から「言葉で伝える」アナウンサーを志したという。

社長業とともに磨き上げてきた「言葉で伝える」スキルは、先に述べた「バスケットLIVE」内の「Bリーグアワード」(選手の表彰式。2024年6月放送)でも活かされ、舞台裏の「今井麻椰カメラ」担当として、選手の本音を存分に引き出していた。

1941年の発売から83年が経過した今でも味は守られ、各地の催事・イベントで人気を保っている。初代の阿部恵三男社長が「いかめし」の基礎を築き、2代目の今井俊治社長が実演販売で全国に広げ、3代目の今井麻椰社長が「言葉で伝える」スキルで新たなファン層を開拓。3代にわたってリーダーがそれぞれの役割を果たしたからこそ、今も「いかめし」人気は続き、ブースには行列が絶えない。

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