トランプ氏にべったり「イーロン・マスク」の皮算用 高官候補人事から「トランプ2.0」の行方を占う
高井:発足前、現段階のトランプ政権の動きを見ていると、あらゆるところにイーロン・マスクさんが首を突っ込んでいますね。
二階堂:はい、勝手に(笑)。
高井:民主主義の手続き上の問題がある気もするのですが、それはさておき、このマスク氏の影響力は長続きするのでしょうか。
二階堂:マスク氏が率いているDOGE(政府効率化省)は時限的な組織だと聞いています。6.8兆ドルある政府予算のうち2兆ドルを削減するというとんでもない目標ですが、これを実現した暁にはなくなっていく組織なのだとは思います。
マスク氏自身は、トランプ氏が推し進める「反リベラルエリート」「打倒ディープステート」にもうまく合致する存在です。彼自身が「リモートワークは認めない」「ダイバーシティも認めない」といったマッチョな発言をしているので、トランプ氏とも非常に親和性が高い。
一方で彼はビジネスパーソンなので、当然、実利も求めていると思います。彼が今やろうとしているAI事業とか、テスラでやっている自動運転とかに関わる各種法規制にも手を突っ込んでくる可能性がありますし、その結果自分たちのビジネスが拡張すればいい。そういう「テック利権」を得て去っていくことも、十分考えられると思います。
バイデン政権下でマスク氏が抱いた「嫉妬心」
高井:ただテスラについていうと、ものすごい「ねじれ」がありますよね。トランプ氏は化石燃料好きのEV(電気自動車)嫌い。そういう大統領とテスラのトップがバディを組んでいるというのは……。
二階堂:テスラはEVのリーディングカンパニーなので、EV購入時の税額控除策がなくても独り立ちできるという部分はあると思います。加えていうと、マスク氏はバイデン政権下での自動車産業支援でテスラがつまはじきにされたことに嫉妬心を持っています。
そういった既得権益を壊していくという文脈の中では、ことEVにおいても、トランプ氏とマスク氏はうまく手を握っているのではないかと思います。
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