16年ぶり航路復活「ホーバークラフト」進化の実態 静音化や大幅値下げ実現も、残された課題とは

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新ホーバークラフトのプロペラ(写真:筆者撮影)

当時の大分県庁の担当者様にお話を聞いたところ、静音性の秘密は、船体後部のプロペラにあるという。旧・ホーバーの船体では3枚羽根であったのが、今回の船体では、少し大きめの5枚羽根となっており、回転の速度を落とすことで、動作音・風切音を軽減。揺れや乗り心地も改善しているという。

 グリフォン社「12000TD」紹介(グリフォンホバーワーク社 ホームページより)

なお、旧・ホーバー船体を建造した三井造船はすでに事業撤退しているため、今回はイギリス・グリフォンホバーワーク社(以下:グリフォン社)製の船体「12000TD」3隻が就航する。同社のホームページによると、座席での騒音は「75デシベル以下」(地下鉄車内と同程度)とのこと。少なくとも以前のように、客室内での話し声が通らないような爆音と揺れで酔ってしまう可能性は低そうだ。

15年前より大幅値下げ

新しいホーバークラフトの運航は、福岡県を中心にタクシー・バスなどを運行する「第一交通産業」の子会社「大分第一ホーバードライブ」が担う。

別府湾を航行するホーバークラフト(写真:筆者撮影)

料金体系も変わり、旧:ホーバーと比べるとかなり値下げされている。片道料金を、以前と比較してみよう。

旧・ホーバー 2800円 参考:バス1500円
新・ホーバー 窓口で購入→2500円 専用アプリで購入→2000円 
参考:バス1600円
(2024年12月時点)

旧・ホーバーはバスの倍近い運賃が最大のネックとなって、利用者を獲得できなかった。値下げを行おうにも、ホーバークラフトは燃費や維持コストも高く、赤字覚悟のディスカウントに踏み切れないまま、運営会社そのものの破綻につながった。

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