10万ドル到達のビットコイン、15年の変遷と未来 元祖仮想通貨が金融市場を揺るがす存在となるまで
2012年には、ビットコインが初の半減期を迎えた。特定の管理組織やサーバーを持たないビットコインはP2P方式により、その取り引きに関わる処理を、ネットワーク上のコンピューターの能力を間借りする格好で行っている。
ビットコインの取り引きに関する情報は逐一ブロックに記載されていくのだが、ブロックが一杯になると、新しいブロックが生成され、既存のブロックに接続される。これがブロックチェーンだ。そして、このブロック生成を行ったコンピューターには、報酬としてビットコインがいくらか与えられる。この一連の処理手続きが、鉱山で価値あるものを掘り当てるのになぞらえて、マイニングと呼ばれている。
世界中のビットコイン取引を記録していく作業には膨大な計算量が必要となり、普通にパソコン1台でマイニングをしてもまずブロック生成に成功することはない。そのため、高性能なGPUおよびPCを何百台と稼働させてブロック生成をする採掘業者(マイナー)が現れた。マイナーたちは、報酬として得たビットコインを運用してさらに利益を生み出すことができる。
ただ、無限に採掘報酬が出るようでは、その価値は次第に薄まり、意味を成さなくなってしまう。そのため、ビットコインは発行可能なBTCの上限を2100万BTCとし、マイニングで得られる報酬を一定期間ごとに半分に引き下げる(半減期)ことでバランスを取るしくみとなっている。
ビットコインにとって初めての半減期は、2012年11月に訪れた。それまでは、ブロック生成に成功したマイナーには報酬として50BTCが与えられていたが、この半減期以降は25BTCとなった。また直近の半減期は2024年4月に訪れた4回目であり、マイニング報酬は3.125BTCにまで減少している。
なお、マイナーにはブロック生成への報酬だけでなく、計算処理量に応じたトランザクション報酬も与えられる。
上昇し続けるビットコイン価格
定期的にビットコインの供給量が減少する半減期は、マイナーにとっては報酬獲得のチャンスが減少するため、不利になるタイミングでもある。だが、過去の傾向を見ると、ビットコインの価格は、半減期を迎えるとその後1年半ぐらいの期間は上昇基調になっていることが多い。新規のビットコインが市場に供給されにくくなるとそれ以後の希少性が高まると考え、購入を考える人が増えるからかもしれない。
長期的に見ると、ビットコイン価格は一時的に下げてなかなか回復しない時期もあったものの、長期的には価格を上げ続けている。その要因はさまざまで、大企業がBTC決済を扱い始めたり、暗号通貨に有利な法改正があったりすれば価格は上昇し、Mt.Goxのようなハッキング事例が話題になったり、中国政府が規制を強化したりすれば下げるといった具合だ。
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