映画【推しの子】"絶妙すぎる配役"決まった背景 ドラマ・映画版プロデューサーに聞く(後編)
――社長の説得に苦労はなかったですか?
東映はものづくりに愛のある会社です。前社長の手塚(治)時代から吉村へ、引き継がれていると思います。今回の『【推しの子】』の実写化をやっていく過程で、さまざまな協力をしてくれましたし、背中を押してくれたというのには、感謝しかありません。
――井元さんは前作の『レジェンド&バタフライ』に続き、全社を挙げての大プロジェクトに関わっていらっしゃいますが、プレッシャーも大きかったのでは?
やはり本当にありがたいことですよね。もちろん打席に立つために、勝負できる企画を立てなければなりません。日々見えないところでやらなきゃいけないことはたくさんあります。でも、運もあって、チャンスで打席に立たせてもらえてることに感謝しています。
世間からの賛否をどう受け止めたのか
――そういう意味で、『【推しの子】』のドラマ&映画化決定の一報が出た際の世間の反響は、賛否の声を含めてすさまじいものがありましたが、あのときはどういう感情でいらしたんですか?
やはりあの少ない情報だけでは伝えきれないところもあるなと思っていました。もちろんその中には厳しい意見もありましたが、ファンの皆さまに楽しんでもらえるように、もっと頑張らなきゃいけないと改めて気を引き締めました。
その一方で、私たちが仕事をしていていちばんつらいこと、悲しくなることというのは届かないことなんです。ですから、まずは世の中に届いてくれて安堵した気持ちもありました。
――情報が解禁されたときは撮影は終わっていたんですか?
ちょうど撮影中でした。時期的にアイのライブシーンを撮るために、2000人以上のエキストラさんの協力が必要だったので、その前に情報解禁をしておかないと人を集められないという事情もありました。
――今回、ドラマシリーズの主題歌のために、8組のアーティストが楽曲を提供しています。
そこは私と一緒にやってる峠本悠悟プロデューサーがいるんですが、おそらく私のことを恨んでると思います(笑)。
8組のアーティストさんたちと向き合わなきゃいけなかったので、実務を担当した彼は本当に大変だったと思います。アーティストさんたちが書き下ろしてくれた、大切な楽曲に合わせたタイトルバックの撮影も8組分ありました。
スケジュールは本当に大変でしたが、この試みをやりきれなかったら後悔していたと思いますし、アーティストさんたちに失礼にあたります。最終的には、アーティストさんたちも一緒になって面白がってくれたので、本当に感謝でした。
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