真面目な親が陥る"闇バイト"の温床になる子育て 親は子供にとって「指示役」になってはいないか?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

闇サイトを通じて、軽い気持ちで手を出すおそれがある点は、違法薬物にも通じます。本人が薬物を使用してしまうのはもちろん、違法薬物の密輸に加担する闇バイトもあります。空港に行って、このサインを持っている人に荷物を渡すだけで5万円。そんなバイトを引き受けて逮捕された少年もいます。

こういった複雑化する犯罪に子どもが巻き込まれないために、できることはあるでしょうか。少なくとも言えるのは、無知でいてはダメだということです。

何かしらニュースに触れることは非常に重要

いま、世間でどんな事件が話題になっているのか。どんなことが起きているのか。テレビでも新聞でも、ネットでもいいので何かしらニュースに触れることは非常に重要です。

犯罪心理学者は見た危ない子育て (SB新書 625)
『犯罪心理学者は見た危ない子育て 』(SB新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

昔は家の中で何となくテレビをつけており、自然と親子でニュースを話題にすることも多くありました。そして、「もし、そんな闇バイトを見つけたらどうする?」「10万円もらったって、逮捕されちゃうんじゃ何にもならないよね」などと会話しつつ、おのずとシミュレーションできていたのではないでしょうか?

これが重要なのです。しかし、いまは家族それぞれがYouTubeやネットフリックスなど好きなものを見ている姿が当たり前になっています。一緒にニュースを見て、家族で話し合うようなシーンは激減しているでしょう。ニュースを知らないということは、本当に「犯罪だとは知らなかった」がありえます。

子どもが犯罪に巻き込まれないために、知識を与えるというのも親の責務の1つです。ニュースを一緒に見て話し合うのは、少し意識すればできることですから、ぜひやってほしいと思います。

出口 保行 犯罪心理学者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

でぐち やすゆき / Yasuyuki Deguchi

1985年に東京学芸大学大学院教育学研究科発達心理学講座を修了し同年国家公務員上級心理職として法務省に入省。以後全国の少年鑑別所、刑務所、拘置所で犯罪者を心理学的に分析する資質鑑別に従事。心理分析した犯罪者は1万人を超える。2007年法務省法務総合研究所研究部室長研究官を最後に退官し、東京未来大学こども心理学部教授に着任。2013年からは同学部長を務める。内閣府、法務省、警視庁、各都道府県庁、各都道府県警察本部等の主催する講演会における実績多数。現在、フジテレビ「全力!脱力タイムズ」にレギュラー出演しているほか、各局報道・情報番組において犯罪解説等を行っている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事