アサヒの焦りか?「スーパードライ」に酷似

ノンアルコールビールに業界から批判噴出

 


 アサヒビールが2月21日に発売するビール風ノンアルコール飲料の新商品「アサヒ ドライゼロ」(=写真=)が、業界内で波紋を呼んでいる。見た目がアサヒの看板商品「スーパードライ」に酷似していることから、「誤飲による未成年の飲酒や飲酒運転につながりかねない」との批判が飛び出したのだ。

 

ビール大手各社は、1月10~11日に相次いで本年度の事業方針について記者会見を開いた。そのうち11日に会見したキリンビールの松沢幸一社長とサントリー酒類の相場康則社長はそれぞれ、前日にアサヒが発表した「アサヒ ドライゼロ」についての否定的な意見を表明した。

「キリンはノンアルコール市場のパイオニアとして、誤飲や未成年の飲酒防止に取り込んでいるが、アサヒビールがスーパードライと酷似したデザインとネーミングの新商品を出すという事は、各方面からマイナスの意見が増えると懸念している」(キリンの松沢社長)。「自主規制を設けて清涼飲料との区別に注力してきた我々のこれまでの努力を無駄にしかねない。法的権限はないが、(ビール酒造)組合でも話し合いになる」(サントリー酒類の相場社長)。

いくらライバルといえど、競合の個別商品を名指しで経営トップが批判するのは異例の事態だ。アサヒの競合各社が懸念するのは、ドライバーや未成年が「ドライゼロ」と「スーパードライ」を間違えて購入して、結果的に未成年の飲酒や飲酒運転につながる可能性があることだ。

現在、アサヒは2010年からノンアルコールビール商品として「アサヒ ダブルゼロ」を発売しているが、同市場のパイオニアであるキリンや、首位のサントリーに押され、シェアはわずか3%程度にとどまっている状況だ。

アサヒは「出遅れた分、この新商品で一気に挽回を狙う」(池田史郎マーケティング本部長)との目算だが、思わぬ所でパッケージやネーミングについての波紋が広がった格好だ。アサヒが起死回生を期す新商品は、良くも悪くも話題を集めての船出となる。

(張 子渓 =東洋経済オンライン)

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