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YCC打ち切りめぐる総裁、副総裁の静かなバトル 異次元緩和「解体」への道②

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会見する雨宮正佳・前日銀副総裁
YCCの打ち切りを主張した雨宮正佳・前日銀副総裁(撮影:尾形文繁)

黒田東彦が決断した2022年12月のイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正は、その狙いとは裏腹に、国債のカラ売りを招く最悪の展開となった。修正の可能性をあれほど否定したにもかかわらず、手のひらを返すように長期金利の変動幅を突然拡大したため、「日銀は信用できない。またサプライズの政策修正があるかもしれない」と市場を警戒させてしまったのである。

海外勢の大量のカラ売りを受けて、長期金利は年明け早々に新たな上限である0.5%を突破し、上昇圧力はさらに強まった。日銀は連日の「指し値オペ」で対抗し、直近に発行された指標性の高い10年物国債3銘柄を買い占めるという禁断の一手に打って出る。

指し値オペとは、あらかじめ決めた利回り(ここでは0.5%)で無制限に国債を買い入れる公開市場操作のこと。これを連発して指標銘柄を買い占めてしまえば長期金利は完全に制御できるが、その代わり市場機能は失われる。

それでも政策担当理事は「負けるわけがない。徹底的に買え」と指示を出し、金融市場局からも異論や疑問は出なかった。

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