有料会員限定

日銀審議委員に求められる政治からの「独立性」 異次元緩和決定時の会合の議事録が公開された

✎ 1〜 ✎ 424 ✎ 425 ✎ 426 ✎ 最新
拡大
縮小

日銀が異次元緩和を決めた金融政策決定会合の議事録が公開された。審議委員の判断に政治は影響したか。

2013年4月、金融政策決定会合
2013年4月、黒田氏(奥中央)が日銀総裁に就任して初の金融政策決定会合で異次元緩和が決まった(写真:共同通信)

日本銀行は時々、独特の表現を使う。

「不芳感」。「堅確性」。普段はあまり目にしない単語が文書に記載されていたりする。「仕振り」もその1つだろう。「しぶり」と読む。『広辞苑』には「物事をする様子、仕方」という意味で収録されているが、一般的にはあまり用いられない言葉だ。こんなふうに使う。

「米国の態度から自分の都合のいいところだけをつまみ食いするというのが彼らの仕振りです」

これは日銀がまとめたオーラルヒストリーの中で、元総裁の三重野康氏が大蔵省(現財務省)について述べているくだりだ。現役の日銀マンがどの程度使っているのかはわからないが、OBなどと話していると時々耳にする。

最近公開された金融政策決定会合の議事録を読んで気になったのは、審議委員の仕振りだ。

審議委員に求められる「独立性」

決定会合の議事録は10年後に全面公開される。このほどオープンになったのは、2013年1月から6月までの分。白川方明氏の総裁退任、黒田東彦氏の総裁就任など、日銀現代史の中でも「激動」と位置づけられる時期だ。

次ページ金融政策実現を阻むもう一つの方法は
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内