激動アジア--2012年は選挙・政権交代イヤー、アジアの政治が大きく動く


中国が懸念する台湾と米国の動き

中国の懸念は経済だけではない。外交面でも中国は難しい舵取りを強いられる。カギとなるのは、台湾と米国の動きだ。

08年に国民党の馬英九政権が誕生して以来、中台関係は安定している。10年にはECFA(経済協力枠組協議)に調印し、両国の経済依存は一層強まった。しかし、最大野党・民進党の蔡英文氏は、対中関係の見直しを主張。1月の総統選挙で蔡氏が当選すれば、中台関係が一気に緊張するおそれがある。

また、オバマ政権が「アジア重視」を宣言し、アジア太平洋地域における米国の存在感が高まっている。昨年末には、豪州への海兵隊駐留を発表し、クリントン国務長官がミャンマーを訪問。日本、韓国、インド、ASEAN(東南アジア諸国連合)との協力強化、TPP(環太平洋経済連携協定)の推進を表明するなど、アジア外交を強化している。

米国のアジア路線は、11月の大統領選で仮にオバマ大統領が敗北しても、大きく変わることはないだろう。「アジア政策に関しては、共和党も異議を唱えておらず、超党派のアプローチが固まったと思う」と米戦略国際問題研究所のマイケル・グリーン日本部長は語る。

こうしたアジア回帰の狙いを、米国関係者は、「多国間の枠組みを作り、中国の平和的な台頭を促すこと」と説明するが、中国の一部の論者は「対中封じ込め戦略」だとして警戒感を強めている。アジアを舞台にして、米中2大大国の勢力争いが本格化する可能性もある。


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