衆院選小選挙区の投票率は53.85%だった。前回から2.08ポイント下回って、戦後3番目に低かった。投票率が低ければ低いほど組織票を持つ自民党や公明党が有利になるという通説は、今回くつがえった。
他方、議席を大幅に増やした立憲民主党は、実のところ比例票がほとんど伸びていない。以下は、前回3年前の衆院選と今回の衆院選における比例得票数の変化だ。
2021年 | 2024年 | 増減 | |
自民党 | 1991万票 | 1458万票 | -533万票 |
立憲民主党 | 1149万票 | 1156万票 | +7万票 |
国民民主党 | 259万票 | 617万票 | +358万票 |
公明党 | 711万票 | 596万票 | -115万票 |
日本維新の会 | 805万票 | 510万票 | -295万票 |
れいわ新撰組 | 221万票 | 380万票 | +159万票 |
日本共産党 | 416万票 | 336万票 | -80万票 |
参政党 | ー | 187万票 | +187万票 |
日本保守党 | ー | 114万票 | +114万票 |
社民党 | 101万票 | 93万票 | -8万票 |
自公は得票数を大幅に減らしているが、立憲民主党の増加票は微々たるもの。自公は自滅したが、立憲民主党に負けたわけではないということだ。
3分の2の国民が「辞任不要」
民意は何を求めているのか。共同通信社が10月28、29両日に実施した全国緊急電話世論調査が参考になる。
石破内閣の支持率は選挙前と比べて急落し、国民の過半数が自公連立政権を望まないとした一方で、石破首相の辞任については、なんと3分の2の国民が「不要」と考えている。
さらに、次の設問に対する回答が重要だ。
自民、公明両党に日本維新の会などを加えた政権 19.3%
立憲民主党を中心とした多くの野党による政権 24.6%
政界再編による新たな枠組みの政権 31.5%
最も望まれているのは「政界再編による新たな枠組み」だ。石破首相がこの民意をくみ取り、政界再編による新たな枠組みを提示できれば、現在の厳しい局面を打開できるのではないだろうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら