エコカーはいつ買うのがお得? 減税、補助金の賢い使い方

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 もう一つ、考慮しなければならないことは、エコカー減税(取得税と重量税)の見直しだ。もともとこの減税は12年春に終了する予定だったが、今回の税制改正大綱で3年間の延長が盛り込まれた。重量税については、税率そのものの軽減措置も行われる。ただ、減税の対象となる燃費基準が引き上げられたため、大半の車種で減税メリットが縮小すると見られている。

中には、補助金の対象となっても、減税の縮小幅が10万円近くになり、補助金分を相殺してしまう車種も出てきそうだ。たとえばホンダの小型ミニバン「フリード」の「Gジャストセレクション」は、来年5月1日以降に登録した場合、税負担は現行と比べ約10.2万円増えると試算される(新車購入時の取得税・重量税と購入翌年の自動車税を含む負担額)。

小型ワゴン「フィットシャトル」のアルミ非装着車では、同9万円以上の負担増になる。他のメーカーでも、大半のガソリン車で減税幅が縮小する見込みだ。ちなみにハイブリッド車(HV)は、新しい燃費基準に対応することで、引き続き免税措置を受けるモデルが多くなりそうだ。

以上をまとめると次のようになる。現時点で予定されるエコカー補助金や減税の内容を見れば、今年3月末までに新車登録を済ませることが最もメリットがある。4月以降、補助金は継続するものの、ガソリン車を中心に大半の車種で、エコカー減税のメリットが縮小することを頭に入れておくべきだろう。

ただしこれらの試算は、現時点で予定される税制・補正予算を前提としている。また、メーカーやディーラーのキャンペーンなどは含んでいない。さらにいえば、人気の車種は商談後すぐに登録できるわけではない。年末に発表されたトヨタの小型HV「アクア」も、すでに納車は約4カ月待ち。やはりエコカーは「思い立ったら吉日」なのかもしれない。

(並木 厚憲=東洋経済オンライン)

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