「カンブリア宮殿」放送開始18年経ても快走のナゾ 一時の勢いだけでは「企業も経営者も取り上げない」
「宇野さんは著名なベンチャー経営者で、番組開始当初からその言動に注目してきました。ビジネスで苦境に陥っても、困難を乗り越え、当時蒔いた種が花開き、自身として3度目の上場を果たしました。『その不屈の精神、行動力はどこから出てくるのか』を知りたくて、今年4月に社名を変更したこのタイミングで『カンブリア』で取り上げたいと考えました。
実際、宇野さんに直接会って話を聞くと私が考えていた印象と違い、非常に温厚で人への接し方が柔らかく、いったいどこに数々の危機を乗り越えてきたパワーが宿っているのか、より一層、経営者としての宇野さんに興味を持ちました」(鈴木氏)
鈴木氏は『カンブリア』に登場する企業や経営者には、2つの共通点があると語る。
「ひとつは『絶対に失敗するからやめておけ』と困難が予想される分野や、誰もやっていないジャンルに挑んで成功を収めた企業や経営者が多いんですよ。数々の高い障壁と修羅場を乗り越えたからこそ、非常に大きな成果を出しているようにと感じます。
もうひとつは近年、社員を大事にするタイプの経営者が増えているんです。会社の大小を問わず成果を出している経営者は現場で直接、社員と向き合って話を聞いて、同じ方向で目標を共有しながら経営をされている印象です」(鈴木氏)
ちなみにこれまで『カンブリア』に登場した経営者の中で印象に残っている言葉は、ウォルト・ディズニー・カンパニーCEOのロバート・A・アイガー氏の「過去は敬うが、崇拝はしない」だという。さまざまな利害や歴史が存在する組織の中で見出した仕事の極意が、そこから見えてくるのだという。
「視聴者はいったい何を知りたがっているのか」
『カンブリア』といえば、美術監督の種田陽平さんが手掛ける豪華で壮大なセットも目をひく。遺跡のような初代セットから始まり、現在は未来感あるホテルラウンジ風の4代目セットに進化を遂げた。このセットにも他のトーク番組と一線を画す番組サイドのこだわりがある。
「演出の一環として豪華で壮大な空間のセットで収録を行うことで、特別感を視聴者にも感じてほしいと思っているんです。ゲストとして出演していただく経営者へのリスペクトの思いも込めています」(鈴木氏)
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