衆院選の応援で「小池百合子氏」やたら目立つなぜ 勝ちそうな候補は直接応援に透けて見える魂胆

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また福岡11区に出馬の武田良太氏にもメッセージを送り、東京7区に出馬の丸川珠代氏と宮城3区に出馬の西村明宏氏には、小池知事が自らオートコールに応援音声を吹き込んだ。3人は自民党の公認を得たものの、比例名簿には名前が掲載されなかったため、直接の応援は見送られている。

忘れてはならないのは、2016年の都知事選に初当選して以来の「友党」である公明党で、小池知事は衆院選の公示日である10月15日にJR三郷駅前まで出向き、埼玉14区に出馬している石井啓一新代表と手をとりあって連携をアピールした。

埼玉14区には国民民主党から鈴木義弘氏が出馬し、石井氏と議席を争っているが、「都民ファーストの会が国民民主党を応援するのは都内に限る」ということなのだろうか。

ならば東京都で出馬している国民民主党の候補たちへの応援はどうなるのか。「都内の候補であっても、当選可能性が小さければ優先順位が低い」ということだろうか。

また、「選挙サンデー」の10月20日には、東京29区に出馬している岡本三成政調会長の応援に駆け付け、「(岡本氏は)ゴールドマン・サックスで、40歳で執行役員。年収凄かったんだろうなあ」と岡本氏を大絶賛。「仕事の仲間があのドナルド・トランプというではありませんか」と感嘆して見せた。

最後は舞台中央に躍り出た?

要するに小池知事が優先するのは、“自分ファースト”ということだ。小池知事は最終日の26日に兵庫県に入り、2区の公明党・赤羽一嘉氏と8区の中野洋昌氏を応援するが、これも公明党に貸しを作るためか。

兵庫県では相手となる日本維新の会にいまいち勢いがなく、赤羽氏と中野氏が優勢と見られている。ここに芦屋市出身の小池知事が駆けつけるなら、華々しい“フィナーレ”になるに違いない。選挙戦当初こそ、息を潜めていた印象の小池知事だが、最後には舞台の中央に躍り出た。

選挙戦最終盤の10月23日、日本共産党の機関紙『しんぶん赤旗』は非公認候補へ2000万円が振り込まれていたことを報じた。またもや「金問題」が勃発だ。衆院選が終わると同時に自民党では、石破茂首相や森山裕幹事長、さらには小泉進次郎選対委員長の責任論が噴出することは間違いない。

その時に、自民党を率い、自公政権をまとめるリーダーは誰なのかーー。その機を視野に、小池知事は存在感を高めつつある。そして「女帝」はその名にふさわしいポストを、虎視眈々と狙っている。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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