ホームドア撤去で前進「JR羽田空港新線」工事の今 田町駅「山手線ホーム」何が関係しているのか

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東山手ルートは、田町駅付近で東海道本線と1998年以来休止中の貨物線「大汐線」を接続し、東京貨物ターミナル付近でアクセス新線に乗り入れて東京駅方面と羽田空港を直結する。開業すれば東京駅と羽田空港間が約18分でダイレクトに結ばれるほか、宇都宮線・高崎線・常磐線方面からの所要時間短縮や乗り換え解消なども期待される。

貨物線「大汐線」
休止中の貨物線「大汐線」。羽田空港アクセス線の東山手ルートは同線を活用する(記者撮影)

同ルートとアクセス新線は2023年6月に起工式を行い、本格的な工事に着手。現在は「工事の支障となる地上設備などの移転や撤去工事を行っている」(JR東日本)ほか、東京貨物ターミナル付近で保守基地線の整備を進めているという。また、アクセス新線の空港島内のトンネルは国土交通省が空港整備事業として建設することになっており、こちらも2023年12月に着手した。

羽田空港アクセス線は田町駅には停まらず、山手線に乗り入れるわけでもない。では、なぜ同線の工事が山手線外回りホームに関係するのかといえば、同駅付近で東海道本線と大汐線を接続する線路を整備するためだ。両線は現状ではつながっていないため、同駅の東京寄りで東海道本線から分岐して地下トンネルに入り、大汐線につながる新たな線路を建設する。この際に必要となるのが、山手線外回りを含む線路の移設だ。

羽田空港アクセス線 概略図

線路を移設してスペース確保

田町駅付近は西側から順に京浜東北線北行(大宮方面)、山手線内回り・外回り、京浜東北線南行(大船方面)、東海道本線上り・下りの計6線、そして東海道新幹線が並んでいる。

新たな線路は東海道本線の上り線と下り線の間に設けるが、現状ではスペースがない。一方、同駅の東京駅寄りには山手線の電車が折り返しなどのために使う「引上げ線」と呼ばれる線路が内回りと外回りの間に1本あった。

田町駅付近を走る常磐線特急列車
田町駅付近の東海道本線を走る常磐線特急列車。手前の線路は東海道新幹線(記者撮影)

そこで、工事ではこの引上げ線を撤去したうえで、山手線外回りと京浜東北線南行、そして東海道本線上りの線路をそれぞれ西側に移設し、新たに敷設する線路のためのスペースを確保する。この際に山手線外回りの「線路の形状変更がある」(首都圏本部)ため、影響がある部分のホームドアを一時的に撤去するわけだ。

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