ホームドア撤去で前進「JR羽田空港新線」工事の今 田町駅「山手線ホーム」何が関係しているのか
JR東日本によると、山手線の引上げ線は2024年1月までに撤去を完了した。今後実施することになる、各線の線路を移設する切り換え作業については「具体的な回数や方法、時期などは現在検討中」という。山手線外回りホームの拡幅についても「改修の時期は未定」(首都圏本部)だ。
ただ、撤去したホームドアは2026年春ごろに再設置される予定で、それまでには線路の切り換えが済んでいると考えられる。
国が整備する空港島内の区間も工事が進んでいる。同区間は約2.4kmで、アクセス新線のトンネルのほか、空港の第1旅客ターミナルと第2旅客ターミナルの間を通る道路の地下に羽田空港新駅(仮称)を建設する。同駅は長さ約310mのホーム1面2線を設ける計画だ。
国交省関東地方整備局東京空港整備事務所によると、現在はシールドトンネルの掘削に向け、工事用機械や資材の搬入などを行う「立坑」整備のための作業を進めている。また、空港駅を建設する部分では道路を通行止めにする必要があるため、代わりに仮設の道路を造る「切り回し」を行っているという。
直通運転を求める声も
各地で工事が進展する中、羽田空港アクセス線への直通列車実現を求める動きも出ている。
栃木県栃木市・鹿沼市・日光市の自治体や議会、商工関係団体などは10月7日、「東京都心・羽田空港直通電車推進期成同盟会」を立ち上げた。3市が位置する東武日光線の沿線から「地域振興や観光発展のために直通電車を実現するのが目的」(栃木市総合政策課政策総務係)だ。今後は東武鉄道とJRに対して要望活動を行っていく方針という。
北関東方面から羽田空港アクセス線への直通については、2016年に国の交通政策審議会がまとめた東京圏の鉄道網整備についての答申にも「久喜駅での東武伊勢崎線と東北本線の相互直通運転化等の工夫により、さらに広域からの空港アクセス利便性の向上に資する取組についても検討が行われることを期待」との文言が盛り込まれている。今後、他地域でも直通を求める声が上がる可能性はありそうだ。
各地で進展はしているものの、これまで一般利用者の目にはなかなか触れることのなかった羽田空港アクセス線の工事。田町駅の山手線ホームドア撤去は、2031年の開業に向け、整備が目に見える形で本格化しつつあることを示している。
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