京阪交野線、「難読駅」つなぐ「難読路線」の実力 枚方市から交野市を経て私市に至るミニ路線

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交野市から私市方面は上り勾配が目立つようになってくる。第二京阪道路をくぐると河内森駅。約300m離れたJR学研都市線(片町線)の河内磐船駅との乗換駅としての利用が多い。

学研都市線は京都府南部の木津駅から大阪市中心部の京橋駅を結んでおり、JR東西線、さらにその先でJR神戸線・福知山線に直通する列車が走る。学研都市線も祝園、四条畷、住道、放出といった難読駅名が豊富だ。

京阪交野線 河内森駅
河内森駅はJR学研都市線との乗り換え利用が多い(記者撮影)

そして終点の私市駅。地名はその昔、皇后のために置かれた私部(きさきべ、きさいべ、きさいちべ)に由来する。交野市内ではいまも市役所や交野市駅があるあたりを私部(きさべ)と呼ぶ。私市の駅前広場は「キサイチゲート」と名付けられイベントが開催できるようになっている。

周辺には何がある?

近くには大阪公立大学附属植物園。駅は吊り橋「星のブランコ」がある「ほしだ園地」、「くろんど園地」などへのハイキングコースの拠点でもある。物部氏の遠祖をまつる磐船神社は「交野市私市9丁目」と住宅地のような住所だが実際は巨石と岩窟の神々しさが漂う山の中。公共交通機関でアクセスする場合は、奈良県側の近鉄生駒駅北口からの奈良交通のバスを利用するように案内されている。

京阪枚方市駅 交野線ホーム 駅長
枚方市駅の交野線ホームに立つ枚方エリアの谷口悟駅長(記者撮影)

交野線の各駅を管轄する枚方エリアの谷口悟駅長によると、平日は枚方市駅で京阪本線、あるいは河内森駅でJR線に乗り換えて大阪方面へ向かう通勤通学客が多い。沿線には東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部といった学校がある。

休日はハイキング客などレジャー需要も。「個人的には趣味で『ほしだ園地』のクライミングウォールに登っています」(谷口駅長)。

最近では「きかんしゃトーマス」とコラボしたラッピング電車や駅装飾、スタンプラリーを目当てに沿線外から訪れる親子連れの姿も目立つ。枚方市から私市までは乗車13~14分。交野線沿線には大阪や京都の有名観光地では経験できない発見がありそうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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