上汽集団はヨーロッパ市場などでの海外事業も、2023年までの好調から一転して苦戦を強いられている。中国からの輸出と現地生産を合計した海外販売台数は、2023年には120万8000台を記録し、中国メーカーの海外市場開拓の先頭に立っていた。
ところが、上汽集団はヨーロッパ市場の開拓に重点を置いていたことが裏目に出た。2023年10月、欧州委員会(訳注:欧州連合[EU]の政策執行機関)は中国製EVを対象にした反補助金調査に着手。2024年7月には追加関税の暫定適用が始まり、上汽集団製のEVには36.3%もの追加関税が課された。
その打撃は2024年の販売実績にはっきり表れている。上汽集団の1~9月の海外販売台数は輸出と現地生産の合計で73万9000台と、前年同期より11.8%減少した。
流通在庫を一気呵成に整理
国内事業と海外事業が同時に危機に瀕する中、上汽集団は経営戦略の抜本的見直しを迫られている。2024年7月には経営陣の若返りを断行し、グループ内でさまざまな対策を打っている最中だ。
同社の説明によれば、中国の(ディーラーが大量に抱えていた)流通在庫の整理を一気呵成に進めた結果、1~9月の実売ベースの国内販売は323万台と出荷ベースの数字を大きく上回った。
今後、2024年末までには在庫整理が一段落し、販売は(出荷ベースでも)上向きに転じる見通しだという。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は10月11日
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