中国「一帯一路」は単なるファンタジーなのか 根深い供給過剰問題は簡単には解決しない
[徐州(中国) 7日 ロイター] - 中国が新経済圏構想「一帯一路」を提唱して2年がたった今、機械メーカーの徐州工程機械集団[XCMGP.UL]はウズベキスタンに工場を開設、300人を海外に派遣したほか、野心的な海外成長目標を打ち出した。
「一帯一路」とは、中国からアフリカ、欧州までを陸海路でつなぎ、かつてのシルクロード沿いに新しい経済圏を生み出そうとする壮大な構想だ。中国にとっては、世界の全人口のおよそ3分の2が居住する65カ国のインフラプロジェクトに資金支援することを通じて、国際社会における影響力を高める狙いがある。さらに、国内の生産能力過剰に苦慮する中国企業のために新たな市場を開拓するという目的もある。
中国の偉大な戦略
徐州集団のアシスタントプレジデント、ハンソン・リュー氏は「これは中国の偉大な戦略」と話す。「ある村で金持ちになった人が近所の道路を修復したり、送電施設や街灯を建てたりするようなものだ」。
徐州集団は、2014年には全売上高の15%だった海外での売上高を、5年以内に30%超に引き上げることを目標にしているという。
中国は「一帯一路」により今後10年で中国の貿易が2兆5000億ドル拡大すると試算している。この2兆5000億ドルという額は、中国が世界最大の輸出国だった2013年の輸出金額を上回る規模だ。
「一帯一路」が意図通りの成果を上げることができるのか、現段階で結論を出すことは時期尚早だが、徐州集団のような一部の中国企業では、「一帯一路」が業績への追い風となっていることは確かなようだ。
徐州集団のリュー氏はロイターのインタビューで「当社ではトップから一般社員まで(一帯一路)に全力で取り組んでいる」と述べた。