徹底比較!私鉄各社「通勤ライナー」の実力 攻める小田急、京急は朝上り列車を新設
小田急では、小田原線・江ノ島線・多摩線で座席指定制の特急ロマンスカーを終日にわたって運行している(多摩線では平日夕方以降の下りのみ)。新宿駅発の特急ロマンスカーは概ね1時間に2〜3本程度の運行であり、主に朝の上り方面および夕方・夜の下り方面で特急ロマンスカーの通勤利用が盛んである。
同社によると、特急ロマンスカーの2014年度乗車人員は約1,350万人で、「通勤で利用する方々も大変多く見受けられる」という。平日夕方以降に新宿駅を出発する特急ロマンスカーは満席の状況が続いている。特急ロマンスカーの払いもどし分の発売については、会員制特急券予約サービス「ロマンスカー@クラブ」ならびに「窓口・特急券券売機」などにおいて、特急券のキャンセルが出る関係で、この特急券の購入を希望する利用者も多く、どの列車も満席で出発していく。
また、沿線には大学や事業所が数多く所在していることもあり、下り方面のロマンスカー通勤も盛んである。筆者が勤務する大学でも複数の教員がロマンスカー通勤をしている。
席番指定機能が追加
2001年7月8日には、携帯電話で特急券の予約・購入が可能な「ロマンスカー@クラブ」の運用が開始され、同15日 からはチケットレスで乗車可能となった。「ロマンスカー@クラブ」は年間約441万件の利用があり、通勤利用者の間にも広く利用されている。
段階的に機能改善を繰り返しており、2010年9月19日からは号車指定機能が追加された。さらに2015年2月15日にはシートマップによる席番指定機能が追加され、発車45分まで任意の座席を自由に選べるように改善された。小田急電鉄旅客営業部水町伸司氏は「お客さまが使いやすいものとなるよう、これまでいくつかのシステム改善等を行ってきた。今後も便利にご利用いただけるよう検討していく」と話す。
西武鉄道でも、池袋線・西武秩父線と新宿線で終日運行している座席指定制の特急レッドアローで、平日朝上り方面および夕方・夜下り方面に多くの通勤利用がある。2013年度の特急乗車人員は811万人と、2012年度の765万人と比べて、6.0%増加した。2013年3月16日に新宿線「小江戸」の東村山駅停車が開始されたことが、乗車人員増加に寄与したようである。また、同年6月9日には携帯電話特急券チケットレス予約「Smooz(スムーズ)」が開始されたことに伴い、池袋駅の特急改札口が廃止され、利便性が向上した。
しかし、さらなる利便性向上を目指すうえでは課題もある。池袋線入間市、飯能、西武秩父線西武秩父、新宿線狭山市と本川越の各駅では特急改札が現在も残存している(入間市、狭山市、本川越の特急改札は下り列車のみ)。
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