NASA発表「太陽の活動"極大期"」今後1年は要注意 3つの危険物質、通信障害も?わかりやすく解説

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【3】ガス→磁気嵐、オーロラ、停電、衛星墜落

太陽フレアにともなって、電気を帯びた大量のガス(プラズマ)が太陽から切り離され、外に向かって投げ出されることがあります。専門用語で「コロナガス放出」や「コロナ質量放出」といいます。

日本でも「オーロラ観測」のチャンス

大量のガスが地球に向かって放出されると、約2日後に地球に到達します。太陽からのガスは地球の磁場(地磁気)とぶつかります。このとき、地球周辺の環境ががらりと変わり、地磁気が大きくかき乱されます。

専門用語で地磁気の乱れは「地磁気擾乱(じょうらん)」といい、その中で規模の大きなものを「磁気嵐」といいます。

磁気嵐が起こるとき、緯度の高い地域では「オーロラ」が頻繁に現れます。特に大きな磁気嵐の場合、緯度の低い地域でもオーロラが観測されることがあります。

今年5月、大規模な太陽フレアと「コロナガス放出」により、過去20年で最大の「磁気嵐」が発生しました。日本でもオーロラが観測され、話題になりました。

つい先日も、10月9日(水)11時ごろ、大規模な太陽フレアが起こり、10月11日(金)0時ごろに「コロナガス放出」が地球に到達。「磁気嵐」が発生し、このときちょうど真夜中だった日本では、北海道をはじめ、京都や能登でも、オーロラが空を赤くする様子が撮影されています。

オーロラはその幻想的な美しさから人々を魅了しますが、良いことだけではなく、悪いこともあります。

磁気嵐やオーロラが発生している上空の領域では、大量の電流が流れています。この電流は大気を加熱し、加熱した大気は膨張します。すると、空気抵抗が増えて、人工衛星の姿勢に悪影響を及ぼします。

2022年には、磁気嵐時の空気抵抗の増大によってSpaceX社のスターリンク衛星約40機が墜落しています。

磁気嵐やオーロラは、地上にも大きな電流を誘発することがあります。電力網に異常な電流が流れると、変圧器が故障し、停電が引き起こされる危険があります。

1989年には、カナダで大規模な停電が起き、600万人が9時間も不便な生活を強いられました。

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