東京はひと時の舞台、30代女性「仮暮らし」の部屋 合わない婚活を止め「望む未来」をつかむまで

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家でお酒を飲みながら料理をするのが好きだという佐藤さんは、近所でひとり呑みすることもあるという。

「近所にはバーやカフェ、居酒屋や定食屋さんまで、好きなお店がいっぱいあります。そこにふらっと食事に行ったり、呑みに行ったりするのも好きです。世田谷暮らしは、ひとりで気ままに楽しむのがいいんです」

佐藤さんが世田谷に引っ越してきたのは2年前。前の住まいの吉祥寺から移り住む際、心に決めたのは、プライベートな時間や空間を大切にするということでした。

お酒が好き
お酒が好き、という佐藤さん。家に好きなお酒があると、仕事が忙しくても頑張れるという(撮影:尾形文繁)

「親しい関係性になるまでは、住まいに関するプライベートなことは秘密です。ざっくりと『世田谷区』ぐらいの情報しか公にしていません。

この部屋に招くのは、家族や10年来の友人などの、本当に身近で大切な人だけ。心を乱す物や人の気配をシャットアウトして、安心で落ち着く空間にしておきたいからです」

広報的な役割も担う仕事柄、人付き合いが多くアクティブな印象のある佐藤さんが、パーソナルスペースを重視する考えに至った過程を、聞いていこう。

兄弟姉妹は7人、「控えめな子」から脱却するまで

佐藤さんは、鳥取県の自然豊かな環境で育った。

父には前妻との間に4人の連れ子がおり、母との間には3人の子どもがいる。佐藤さんは、7人の兄弟姉妹がいるなかの6番目に産まれた。大家族の中で育った彼女は、「家族が多いと賑やかで楽しい反面、落ち着いた1人の時間を持つことは少なかったです」と微笑む。

「母は12歳離れた父と29歳で結婚し、いきなり4人の母になったんです。父はそれぞれの子どもの道を応援してくれて、専門学校に入れたり大学に入れたり。すごいですよね。休みのときは家族みんなをキャンプに連れて行ってくれました。母もできるだけ分け隔てなく兄弟姉妹皆を世話してくれたと思います。母は明るくて太陽のような人ですね。

そんな環境で私がどう影響を受けたかというと、ちょっと引っ込み思案というか、大人しめに育ったということじゃないでしょうか。家に自分よりも年上の兄や姉が沢山いたので、『あまり積極的に自分の意見を言わなくていいかな』みたいな感じでした」

そんな佐藤さんは大学進学で大阪へ、卒業後は東京で就職し、現在3社目。ブランディングデザインを行う企業でマネージャーとして働いている。

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