女性ファン急増、アパレルSOÉJUはなぜ強いのか 年率160%成長を遂げるブランドの知られざる軌跡

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私はこの考え方がすごく好きですし、キャリアも、会社としても、振り返ってみればですが、この思考のような歩み方をしてきたのかなと。

大企業のようにリソースがたくさんある大企業が、ロジックで考えて最小限の投資で最大限の成果を目指す……みたいなこととは全然異なるやり方です。

カッコよく言葉でまとめると、そんな感じですが、実際はもっと必死で泥臭いです。目の前の課題をどうにか解決するために、さまざまなアイディアをつけたり、剥がしたり。最善だと思われる手を捻り出して、1つひとつ実験的に打ってみるその繰り返しで進んできたなと思いますし、今もそうです。

商品の魅力とともに哲学を伝える広告戦略

--商品の価格設定も絶妙です。プチプラではないけれど、高級ブランドと同様の生地などを使用していて丁寧な縫製なのに、市場価格の6〜7割の価格に抑えられています。これもSOÉJU人気が高まり続けている理由かなと。

価格は、お客様にはもちろん、サプライヤーさんや我が社にとっても三方に良いものにするためには工夫が必要です。

筋肉質なマーケティングと私は呼んでいるんですが、SOÉJUは店舗も代官山だけですし、広告もバンバン打つのではなく、必要な方に届くように絞り込んだコミュニケーションをとっています。

(撮影:今井康一)

--たしかに大きな広告を打っている印象は薄いのに、年々、着実に認知も広がり、人気も高まっている印象です。最初はどこから火がついたのでしょう?

SNSの広告ですね。ビジネス的なお話をすると、最も新規の方と広い接点が持てるのはSNSの広告なんです。ただ、その広告の出し方が、もしかしたら、特徴的だったかもしれません。

--どんな特徴ですか?

一般的なファッションブランドのようにおしゃれなビジュアルだけで伝えるのではなく、ブランドの価値観を伝えることに注力したというか。この一枚のブラウスでお客様の装うことに関する価値観をどうしたいのかを考えて、初期は、けっこう大胆なコピーを書いていたんです。

たとえば、「もう一度、半袖を着たくなるブラウス」とか。「二の腕を隠したいから、半袖を着なくなっていませんか?」と問いかけるようなコピーです。

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