それでは、どうすれば5年後を想像できるのでしょうか。長年の銘柄分析の経験から、ポイントを2つに絞ってみました。
1つずつ見ていきましょう。
①自分ではできないことか
まず、そのブームになっている対象をあなた自身が作れるかを考えてみましょう。
タピオカドリンクは材料さえあれば開業でき、雨後の筍のようにブーム時にはたくさんのお店が設けられました。中には「自分にもできるかも」と飲食提供の経験のない人まで参入していました。つまり、参入障壁が低かったため、大量出店ののちにブームが去ってしまったのです。
それでは、自分でできるものはすべてダメかというと、そうではありません。
飲み物つながりで「お茶」と比べてみましょう。
今では缶やペットボトルに入ったお茶をコンビニや自動販売機で買えることは常識ですが、私が少年時代を過ごした50年ほど前にはそんなことはありませんでした。
そうした中、伊藤園が1980年に「缶入り烏龍茶」を発売しました。私自身、缶に入ったお茶を見て、大変驚いた記憶があります。ちなみに、ペットボトル入りのお茶は1990年に発売されました。
今ではすっかり世の中に定着した缶入りやペットボトル入りのお茶ですが、タピオカドリンクとお茶の命運を分けた要素はなんだったのでしょうか。
その答えは、「タイパ」です。
タイパとは「タイムパフォーマンス」の略で、使った時間とその結果得られた効果や満足度を比べることを意味します。近年では、費用対効果を示す「コスパ(コストパフォーマンス)」に似た概念として注目されています。