世界で初めてクオーツ式腕時計を発売し、安くて正確な腕時計の普及に貢献したセイコー。現在は「グランドセイコー」など機械式腕時計に注力している。ゼンマイで動く機械式腕時計は、趣味性の高い高級品。海外メーカーのブランド力が強い高級品市場で、セイコーはどのように戦っているのか。セイコーグループの高橋修司社長に聞いた。
高級腕時計ブームと共に市場は拡大
──高級腕時計人気が続き、販売単価も上がっています。
時計業界には約200年の歴史があるが、その間、高級腕時計ブームは何度も起きている。例えば、携帯電話がインターネットにつながった「iモード」が爆発的に売れたとき。時間が確認できるモバイル機器という意味では、腕時計と携帯電話は同じだ。すると、若年層を中心に腕時計を着けなくなる人が増え、普及価格帯に影響が出た。次は2000年代後半にiPhoneが発売されたとき。世界規模で影響を受けた。極め付きが、スマートウォッチだ。
普及品に新たな参入者が現れるたびに、普及品が減る一方で高級品市場が盛り上がり、高級品比率が高まってきた。高級腕時計ブームといわれるが、市場の拡大は傾向として持続しており一過性のものではない。今後も腕時計は、単価が上がって数は減り、金額としては拡大を続けるだろう。
──「ロレックス」などスイス製の機械式腕時計がとくに人気です。
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