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セイコー、「高級腕時計ブーム」の波に乗れるか 高橋社長「オンラインでも売れる素地が整った」

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セイコーグループ社長の高橋修司氏
高橋修司(たかはし・しゅうじ)/セイコーグループ社長。1957年生まれ。80年早稲田大学理工学部卒業、服部時計店(現・セイコーグループ)入社。腕時計の商品企画などを経て2013年取締役。セイコーウオッチで社長など要職を歴任、21年6月から現職。(撮影:大澤誠)
世界で初めてクオーツ式腕時計を発売し、安くて正確な腕時計の普及に貢献したセイコー。現在は「グランドセイコー」など機械式腕時計に注力している。ゼンマイで動く機械式腕時計は、趣味性の高い高級品。海外メーカーのブランド力が強い高級品市場で、セイコーはどのように戦っているのか。セイコーグループの高橋修司社長に聞いた。

高級腕時計ブームと共に市場は拡大

──高級腕時計人気が続き、販売単価も上がっています。

時計業界には約200年の歴史があるが、その間、高級腕時計ブームは何度も起きている。例えば、携帯電話がインターネットにつながった「iモード」が爆発的に売れたとき。時間が確認できるモバイル機器という意味では、腕時計と携帯電話は同じだ。すると、若年層を中心に腕時計を着けなくなる人が増え、普及価格帯に影響が出た。次は2000年代後半にiPhoneが発売されたとき。世界規模で影響を受けた。極め付きが、スマートウォッチだ。

普及品に新たな参入者が現れるたびに、普及品が減る一方で高級品市場が盛り上がり、高級品比率が高まってきた。高級腕時計ブームといわれるが、市場の拡大は傾向として持続しており一過性のものではない。今後も腕時計は、単価が上がって数は減り、金額としては拡大を続けるだろう。

──「ロレックス」などスイス製の機械式腕時計がとくに人気です。

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