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いすゞ、商用車国内最大手が描く電動化への道 南社長「2030年には脱炭素トラックをそろえる」

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みなみ・しんすけ/1983年早稲田大学商学部卒、いすゞ自動車入社。経営企画と海外営業を経て、2018年から取締役に。企画・財務部門統括を経て、2023年4月より現職(撮影:今井康一)
商用車大手のいすゞ自動車は2021年にボルボ・トラック傘下のUDトラックスを買収した。売上高は3兆円を突破し、国内最大手の地位を固めた。しかし、今年5月には、国内2位の日野自動車と3位の三菱ふそうトラック・バスは経営統合に基本合意したと発表するなど競争は激化する。商用車の世界でも電動化・自動化が加速する中、いすゞはいかに勝ち残るのか。今年4月に就任した南真介社長に聞いた。

EV、FCVに加え、合成燃料も

――社長就任後、どのような取り組みを始めましたか。

5月に「地球の『運ぶ』を創造する」という企業理念を策定した。今まではトラックを使う運送業界が荷物を運ぶことを滞らせないことが使命だったが、100年に1度の変革期にある自動車業界にあって、それだけでは足りない。物流業界と一緒になって、より効率的な物流を生み出すための車両や車両周りのサービスの提供に挑戦していく方針を社員に伝えてきた。

――商用車は二酸化炭素(CO2)の排出量が多く、脱炭素への対応は待ったなしです。2030年までに国内で商用車の新車販売に占めるEV(電気自動車)の比率を20~30%にまで引き上げる目標を掲げています。どのように電動化を進めますか。

トラックの使われる時間と走行距離は乗用車と比べて長いため、いくつかのパワートレインの選択肢をもたざるをえない。そのためEVとFCV(燃料電池車)と合成燃料の3種類をそれぞれ研究開発している。電動車に代わっても耐久性と航続距離が保証できる技術開発も必要だ。

2030年には脱炭素に対応できるあらゆる種類のトラックをそろえることが目標だ。2020年代の後半が量産に向けた大きな5年間になる。そうすれば、2030年代にはどんどん量産して軌道に乗せられるだろう。

――ディーゼルエンジンはこれから減っていくのでしょうか。

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