日本を代表する調味料・しょうゆを扱いつつ、収益柱は北米などの海外事業。食品業界の成長企業がキッコーマンだ。2022年度の海外売上高比率は7割超を占める。同社は6月に堀切功章会長から中野祥三郎社長へ10年ぶりにCEOが交代。米国赴任の経験もある中野社長に、しょうゆのさらなる可能性と成長戦略を聞いた。
──CEO交代は10年ぶりです。なぜ今だったのですか?
堀切会長がCEOとして経営で全体を見て、私はCOOで執行、主に国内・管理部門を中心に担当してきた。21年には社長に就任している。CEOの交代は指名委員会の決定によるものだが、おそらくコロナ禍で交代の時期が延びたと思う。なぜ今かという理由は、実は知らされていないんです。
──これまで担当してきた業務は。
最初は経理で、代金回収など現場に近い仕事。現場を経験したいと手を挙げて大阪で営業も担当した。1988年には米国子会社に出向した。数字がわかることは強みだが、1人でできることは限られている。役職が上がるにつれて、いかにコミュニケーションをして人に動いてもらうか、というところへと比重が変わってきた。
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