──北米市場で5割のシェアを超えるラフテレーンクレーン(不整地や狭隘(きょうあい)地向けの自走式クレーン)が、収益を牽引しています。
米テキサス州を中心とした石油・天然ガスの開発需要が伸びている影響が大きい。ウクライナ戦争の発生を受けたロシア産エネルギー資源の代替需要は高止まりが続いており、現地では石油や化学関係のプラントが続々と立ち上げられている。そのほか橋梁(きょうりょう)などのインフラや住宅の開発なども、北米全体では堅調な状況が続いている。
北米のエネルギー産業というとシェールガスの需要が下火なのではと思われるかもしれないが、当社のクレーンはそこにはほとんど使われていない。いわゆる油ガス関連の産業が主要な顧客で、例えばエタンクラッカーと呼ばれる化学材料生産設備における更新やメンテナンスに使われている。
ラフテレーンクレーンはその際の分解や組み立ての過程で必要とされており、油ガス向けの稼働状況は当面底堅いとみている。
再エネ需要拡大も追い風
再生可能エネルギーの需要拡大も追い風だ。これは北米市場に限らないが、太陽光発電ではパネルを屋根に持ち上げるにはクレーンが必要だし、風力発電はそもそもクレーンがないと装置のパーツを組むことができない。原子力発電のリアクター(原子炉)についても1000トン規模の超大型クレーンが使われており、原子力向けでは3〜4年先まで販売先のレンタル会社が需要を押さえている。
──一方で欧州市場は、19年に買収したドイツのクレーン事業子会社が翌年に事業再生手続きを申請するなど、苦戦が続いています。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら