インドネシアのアバディLNG(液化天然ガス)プロジェクトから英シェルが撤退した。化石燃料に厳しい視線が注がれるが、65%の権益を持つINPEXは、事業をどう進めるか。投資家は海外メジャー並みの投資規律を求めるようになり、低PBR(株価純資産倍率)是正も課題となる中、株主還元の強化を打ち出した上田隆之社長を直撃した。
将来はスーパーメジャーと比肩したい
──原油価格の上昇や8月に打ち出した株主還元の強化でINPEX株が足元で高騰しています。
低PBRの要因を社内で議論した際、経営の効率化、化石燃料の未来、座礁資産化への不安感に加え、外国メジャーとの比較で還元が不十分との指摘もあった。
当社の株主の約3割が外国人投資家だ。どうしても収益性や還元に対して厳しい見方になる。メジャーモデルは何十年も優良資産を積み上げてきて、大きなプロジェクトは10年も20年もかけて償却を終え利益率が高くなっている。
われわれはまだそこまで行っておらず、大きなものはイクシス(豪州LNG)とアブダビ(海上油田・陸上鉱区)くらい。まだまだ積み上げていく段階だ。償却に関してもイクシスは生産開始が2018年で償却がまだまだ続く。優良資産を積み上げて、時間はかかるかもしれないが、将来はスーパーメジャーと比肩しうるような経済性を上げていきたい。
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